講師コラム

冬則龍潜 夏則鳳挙

2015.10.13堀内コラム「堀内道場」

 ラグビーW杯で盛り上がる中ひっそりと大相撲秋場所が終了しました。行事差し違えなどが話題になったのですが、その行司の軍配に書かれている文字が気になりました。

 調べると、軍配は後援者からのいただきものとして、行司の多くは一場所で複数のものを使うとのこと。書いてある文字も様々になりますが、相撲界には江戸時代から受け継がれている「譲り団扇」という軍配があります。

 譲り団扇は相撲博物館の所蔵品で、年三度の東京場所の際に博物館から伊之助さんに託されます。代々の式守伊之助に引き継がれ、四十代目の現伊之助さんは先場所(名古屋場所)では襲名してから初めて全十五日間を通して使ったそうです。軍配の表面には、金色の漢字六文字が記されていますが、どう読むのかはわかっていないようです。日本相撲協会が書道の先生に鑑定を依頼したのですが、正確には読めなかったそうです。相撲協会に伝わる、解明できない謎の一つになっています。

 また、現在は空位になっている木村庄之助さんの軍配も譲り団扇で、こちらに書かれている言葉は「知進知退随時出処」進むべきときを知り、それから退くときを知り、いつでもそれに従うという意味で、自分は自身が進むべきときと退くときを知っており、いつでもそれに従うということです。裏面には「冬則龍潜 夏則鳳挙」と書かれており、龍は、厳しい冬の時代は海に潜って息をひそめ、夏を待ち鳳凰になり飛び立つという意味です。

 さあ、6年生もこれからが本番です。土俵際の人も「ハッキョイ(発揮揚々)、残った(まだ勝負はついていない)」