講師コラム

春・・・成長を感じるとき

2017.04.06堀内コラム「堀内道場」

 1度でも塾を辞めたいと思ったことがある人は?という問いかけにほとんどの子が手をあげます。ところが辞めたくないと思う子も同じくらい手をあげます。授業が楽しい、辞めなくてよかったという意見も含めるとほとんど全員です。

 アンケートは「はい」か「いいえ」で答えるものが多く、合計100%になります。しかし、この場合はあてはまりません。ほとんどの子がどちらにも挙手するからです。行きたくないと思ったことも、辞めたいと口に出したことがあるのも子どもたちの正直な気持ちですが、本当にそうしたい訳ではありません。誰かに話を聞いてほしい。そして苦しいときにはそばにいてほしいだけなのです。

  春休み中なのにランドセルを背負った小学生と、その後を追いかけているお母さんらしき人をよく目にします。おそらく、新1年生のご家庭なのでしょう。通学の練習だと思われます。最近まで手を握って一緒に歩いていたのに、たくましく一人で歩くようになった姿を見て、我が子のまた一歩成長した瞬間を感じる時です。歩く子の背を見送る親は不安でたまりません。

  健康であればそれでいいと思っていたのに、いつの間にかこれもできてほしい、あれもできてほしいとなります。親は気付かないうちに子どもに近づきすぎています。子どもはマンホールの蓋を自分であけようと必死です。親があまりにも子どもに近づきすぎて蓋の上にのってしまってはダメなのです。

 子どもの辞めたいは一時的なものがほとんどです。そういう時は一度ゆっくり話を聴いてあげてください。その言葉そのものをくり返してあげてください。きっとほっとした顔をみせてくれますよ。