講師コラム

ウソも方便

2018.06.06堀内コラム「堀内道場」

卑怯者ひきょうものになるな」我が家で大切にしている言葉です。子どもたちにもよく言っています。昨今、ひどいウソが多すぎて感覚が麻痺まひしそうです。もちろん教室内での話ではありません。教室の外での出来事です。勇気ある若者の行動に比べ、あきれるくらいに大人たちが国会や大学で繰り広げています。

ウソも方便ほうべんということわざがあります。自分に都合のよいウソはついてもいいという意味ではありません。自分の利益のためにウソをつくのではなく、人のためにウソをついて誰かを救うという意味です。間違って使用している子どもたちもたくさんいます。自分勝手な都合でウソをついてはいけないですし、悪事に対して正当化できるものではありません。

運動会が春に開催される学校が多くなりました。先日訪れた小学校での出来事です。ある男の子が祖父母らしき人に嬉しそうに話をしていました。その子は背が高いためか、競技中も見知らぬ私でさえ目にとまる少年でした。三人の会話が隣で観覧している私の耳に入ってきました。「1番やった!」「2人抜かした!」それを聞いている祖父母らしき二人は笑顔で「ほーか、ほーか」とうなずいていました。スタート直後からずっと1番だったはずの男の子が2人抜くことはありえません。私の見間違えなのか、喜ばせたい気持ちが男の子をそうさせたのか。

陽気な気候のこの時期、海に行って恒例こうれいの家族行事をしました。先日はカニ釣りをしました。家族が本物のエサでカニ釣りをしている横で、長男は草を使ってカニを上手く釣り上げていました。疑似ぎじ餌えもカニにとってはウソになるのかな。