講師コラム

マイ〇〇〇

2016.01.08杉浦コラム「fifty-fifty」

 通信100号!おめでとうございます。作成に携わってくれた先生、毎月読んでくださる生徒、保護者のみなさんに感謝申し上げます。

 最近の話題で一つ挙げるとするなら「マイナンバー」でしょうか。私の家にも届きましたが「マイナンバー」なんて文字はどこにもない。正式名は「個人番号」で、「マイナンバー」は(呼びやすい?親しみやすい?ための)通称です。「マイページ」「マイカップ」「マイレシピ」など、近年では新しい「マイ○○○」という言葉をよく耳にします。プライバシーに対する意識が高まり、「個」が尊重されるべきとする社会的風潮にくわえ、「自分(その人)だけの」という愛着の意味合いもこめてこの言い方が広まっているのでしょう。

 ただ、この「マイ○○○」という言葉の中で、以前からあって私がどうも好きになれないのが一つあります。「マイペース」です。「周りに流されることなくしっかり自分の進め方で」と言えば聞こえはいいのですが、「どんな時でも自分がやりやすい速度で」と解釈すると、どうしてもマイナスのイメージしか思い浮かばないのです。

 よくテストで時間切れになってしまう、テストではまちがえていた問題が家でやったら普通に解けた。(保護者懇談会で何度聞いたことか)これらの原因は「急ぐ」ことが苦手、またはできていないからだと私は思います。受験の世界ではいくら能力が備わっていても、それを「制限時間内に」発揮できなければ認めてもらえない。「急ぐこと」も大切な能力の一つです。

 「急いで解いたらまちがえやすくなる!」と言う人。ちがいます。「急いで」ではなく、「あわてて」解くからまちがえるのです。「急ぐ」というのは、正確さを欠いて突き進むことではなく、(注意力を保ちながら、)ある場面ではスピードを上げて、他の部分に余裕を持たせる、時間を上手に使うための重要な手段です。「急ぐ」ことができないから、最後で「あわてる」ことになるのです。

 塾内での動き一つを見ても、テキパキと行動する人、切り替えのはやい人は、授業中やテスト中の集中力も高い傾向にあります。試験では、急ぐべき部分は急いで時間を上手に使い、みなさんが持てる力を十分に発揮してくれることを願っています。